高齢者の転倒防止グッズ5選|靴下・手すり・ライトをケアマネが厳選

転倒しそうな高齢者のイラスト 介護サービス活用
転倒しそうになる高齢者

「ちょっと目を離したすきに転んでしまって…」

ケアマネジャーをしていると、こうした相談を本当によく受けます。在宅介護で怖いことの一つが、「転倒」です。骨折をきっかけに、そのまま寝たきりに近い状態になってしまう方を、これまで何人も見てきました。今日は、在宅での転倒をできるだけ防ぐために役立つグッズと、選ぶときに見ておきたいポイントについてお話ししたいと思います。

なぜ高齢者は転びやすいのか

まず、なぜ高齢になると転びやすくなるのか、簡単に整理しておきましょう。

夜中に寝ぼけて歩く高齢者

加齢とともに、筋力やバランス感覚はどうしても少しずつ低下していきます。若いころは「あっ」と思った瞬間にとっさに足が出て体勢を立て直せても、高齢になるとその反応がワンテンポ遅れてしまうことがあるんです。さらに、視力の低下で段差に気づきにくくなったり、夜間トイレに起きたときに寝ぼけた状態で歩いてしまったりすることも、転倒のきっかけになります。

仕事をする中で、「家の中だから大丈夫」と油断していたところ、リビングの小さな段差につまずいて転んでしまう方、本当に多いんです。実は、転倒の多くは外出先よりも、住み慣れたはずの自宅の中で起きています。「うちは大丈夫!」と思わず、早めに対策をしておくことをおすすめします。

ポイント1:滑りにくい靴下・室内履きを選ぶ

家の中で過ごすとき、靴下のまま、あるいは滑りやすいスリッパで歩いている方は意外と多いです。フローリングの上を靴下だけで歩くと、思った以上に滑りやすく、ちょっとした拍子に足を取られてしまうことがあります。

そこでおすすめなのが、足の裏に滑り止めの加工がしてある靴下や、かかとまでしっかり覆ってくれるタイプの室内履きです。脱げにくく、つまずきにくい形状のものを選ぶと安心です。私が関わったご家庭でも、靴下を滑り止め付きのものに変えただけで、「家の中で滑りそうになることが減った」という声もあります。小さな工夫ですが、毎日履くものだからこそ効果を実感しやすいポイントです。

滑り止め靴下のイラスト

ポイント2:段差をなくす・手すりを増やす

家の中には、意外とたくさんの「小さな段差」が隠れています。玄関はもちろん、部屋と廊下の境目、トイレの入り口など、普段は気にならない数センチの段差が、高齢になるとつまずきの原因になります。

段差や手すりのイラスト

工事をともなう大がかりなリフォームをしなくても、置くだけ・貼るだけで使える段差解消用のスロープがあります。玄関やお部屋の入り口に置くだけで、つまずきのリスクをぐっと減らすことができます。

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住宅改修のイラスト

また、手すりについても、壁に固定するタイプだけでなく、置くだけで使える自立式の手すり(レンタル)もあります。賃貸住宅で壁に穴を開けられない、というご家庭でも導入しやすいのが嬉しいポイントです。トイレや浴室、立ち上がりの動作が多い場所に置いておくと、ふらつきそうなときにとっさにつかまることができ、安心感が大きく変わってきます。

ポイント3:夜間の足元を照らすライト

実は、転倒が起きやすい時間帯の一つが「夜間、トイレに起きた」時です。寝ぼけた状態で、部屋の明かりをつけないまま歩いてしまい、暗闇の中で家具や段差にぶつかって転んでしまう、というケースは少なくありません。

足元灯のイラスト

そこで役立つのが、人の動きを感知して自動で点灯するセンサー式のライトです。コンセント式や電池式のものがあり、廊下や寝室の足元、トイレまでの動線に置いておくと、わざわざスイッチを探さなくても、足元がパッと明るくなります。まぶしすぎない、やわらかい光のタイプを選ぶと、目が覚めすぎずに済むのでおすすめです。私自身、利用者さんのご家庭にこうしたライトの導入を提案することがありますが、「夜中に安心して歩けるようになった」という声をいただきます。

ポイント4:転んでしまったときの衝撃を和らげるアイテム

どんなに対策をしていても、転倒を完全にゼロにすることは難しいのが現実です。だからこそ、「転んでも大きなケガにつながりにくくする」という視点も大切です。

その一つが、太もものつけ根部分にクッション材が入った、転倒時の衝撃を和らげるタイプの下着やパンツです。高齢者の骨折で特に多いのが、転んだときに腰の骨(大腿骨)を強く打ってしまうケースです。こうしたアイテムは、転んだ瞬間の衝撃を分散させることで、骨折のリスクを減らす助けになります。普段の下着の上から、あるいは下着の代わりとして身につけられるタイプがあり、見た目も普通の下着とあまり変わらないものが増えています。

クッション性のある下着

「転ばないようにする対策」と「転んでもケガを軽くする対策」、この両方を組み合わせておくことが、安心につながります。実際に使用している方はまだ少ない印象です。

ポイント5:浴室・トイレの滑り止め対策

水回りは、家の中でも特に転倒が起きやすい場所です。浴室の床は石けんやシャンプーの泡で滑りやすくなりますし、トイレも床が濡れていることがあります。トイレの床は濡れていないか気を付けてあげてください。

浴室には、吸盤や粘着シートで貼り付けるタイプの滑り止めマットがあります。床に直接敷くタイプのほか、浴槽の中に敷くタイプもあり、立ち座りのときの踏ん張りがきくようになります。

滑り止めつき浴室のイラスト

上のイラストの青いシートは浴槽の中にも敷けるタイプでお湯を貼る前にギュッと吸盤で貼り付けておきます。また、浴室がタイルの場合は、上のようにタイルに貼る事もあります。このような商品は介護保険で購入可能です!ホームセンターで買っても後からお金は出ません!まずはケアマネジャーに相談してみてくださいね。

選ぶときに気をつけたいこと

転倒予防グッズを選ぶときに、共通して気をつけておきたい点をいくつかお伝えします。

まず、本人の生活動線に合っているかどうかを確認することです。どんなに良いグッズでも、本人が使いにくい場所に置いてしまっては意味がありません。実際に普段どこを通って、どこで立ち止まり、どこに座るのか、生活の流れをよく観察してから、置き場所を決めるとよいでしょう。

次に、本人の自尊心にも配慮することです。「転びやすいから」という理由でいろいろなグッズを一気に増やすと、本人が「自分は弱ってしまった」と感じて落ち込んでしまうこともあります。「念のため」「もしものために」という伝え方をしながら、本人の気持ちに寄り添って少しずつ取り入れていくのがおすすめです。

介護保険を使ってレンタルや購入ができるものもありますので、気になるグッズがあれば、まずはケアマネジャーや福祉用具の専門相談員に相談してみてください。自己負担を抑えながら、より体に合ったものを選べることがあります。

まとめ

在宅介護における転倒は、骨折や寝たきりにつながりやすい、とても重要なリスクです。今回ご紹介したように、

  • 滑りにくい靴下・室内履き
  • 段差解消スロープや置き型手すり
  • 夜間の足元を照らすセンサーライト
  • 転倒時の衝撃を和らげるアイテム
  • 浴室・トイレの滑り止めマット

といった、ちょっとした工夫の積み重ねで、転倒のリスクをぐっと減らすことができます。すべてを一度にそろえる必要はありません。まずは生活の中で「ここが危ないかも」と感じる場所から、少しずつ対策をしていってくださいね。個人的には、やっぱり安全面の強さで言うと手すりです。持つ場所がある!ってかなり頼もしいですよね。

では、皆さまの明日がすんばらしい1日でありますように・・・。

今日もありがとうございました!!

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